どんなに穏やかな人でも必ず怒りは持っています。人間にとって怒りは必要な感情なのです。
なので怒りの感情を全くなくすといことは出来ません。しかし必要なとき以外は怒らないようになることは可能です。
怒りっぽい人から脱却するためには習慣を変えることと自分を知ることが大切です。
怒りを生む場所へ行かない
あなたが自分のことを怒りっぽいと認識しているのなら穏やかな人間になるまではコンビニ、ファミレス、安い居酒屋などは極力行かないほうが良いでしょう。
売買契約というのは客と店員のどちらかが上の立場などという決まりはありません。
しかし日本では客のほうが上の立場であるという空気があります。
なので店員の愛想が悪いとそれだけで怒ってしまうことがあります。
また他の客に横入りされたりすることもあります。
いつも怒っていると怒りやすい回路が強化されます。
怒らない人になるためには怒りを生み出す可能性のある場所からは出来るだけ離れることから始めます。
満員電車も乗るだけでストレスホルモンが出ますので時間をズラしたり職場の近くに引っ越すことで避けましょう。
環境を変えるだけでも怒る機会は減りますから怒りの回路がこれ以上強化されるのを防ぐことができます。
どうしてもストレスの多い場所に行かなければならないときは事前に「予想外のことが起こることも有り得る」と予想しておきましょう。
人間は予想外の自体に直面したときは怒りやすくなります。
なので事前に予想をしておけば良いのです。
食事・睡眠・運動・笑顔
怒らない人になるためには健康的な生活を送ることも重要です。
体調が悪いと怒りっぽくなります。
ストレスが溜まるとそれを解消するために暴飲暴食をしてしまうという人がいますが逆効果です。
血糖値が急激に上がるとインスリンが大量に放出されるので今度は血糖値が急降下します。
すると自律神経が乱れてイライラしやすくなります。
睡眠不足も自律神経を乱します。
自律神経が乱れると寝つきが悪くなるのでさらに睡眠不足になってイライラするという悪循環に陥ります。
早寝早起きを心がけ朝起きたら部屋のカーテンを開けて太陽光を浴びるようにしましょう。
太陽光を浴びることでセロトニンが活性化するので気分が安定します。
ランニングやウォーキングなどの一定のリズムで行う運動もセロトニンの活性化には有効です。
笑顔のトレーニングも効果的です。
意図的につくった笑顔でも副交感神経に影響を与えリラックスできるといいます。
また笑顔になることで実際に気分も楽しくなってくるということが実験結果からも分かっています。
怒りっぽい人というのは普段の表情が怖い人が多いです。
だから余計に相手の不機嫌な態度を引き出してしまうのです。
楽しいことがなくても口角を上げて笑顔をつくることを習慣にしましょう。
感情を記録する
色々な場面で怒ってしまうという人でも自分の感情を記録することで怒ってしまうときは共通の条件があることに気づくことがあります。
毎日寝る前に一日を振り返って感情を記録しましょう。
記録する内容は次のような項目です。
- 怒りを感じた出来事
- そのときの気持ち
- 日付、時間、場所、天候
- その日の体調
- 前日の就寝時間と当日の起床時間
- 会った人
就寝時間や体調、天候なども記録するのはそれらの条件が自分の感情に大きな影響を与えている場合もあるからです。
また出来事とは関係なくても特定の人に会った日は怒りっぽくなるということもあるので会った人も記録しておきます。
これらの記録が終わったら最後にその日一番嬉しかったことも記録します。良い気分のまま就寝するためにも必ず最後に嬉しかったことを思い出してください。
どうしても思い浮かばなければ感謝するべきことを書きます。生活している以上は感謝するべきことは必ずあります。
電車が時間通りに運行してくれたというのも感謝するべきことです。
遅延したときは怒るのに時間通り運行してくれたときに感謝しないのはおかしいです。
1分遅れただけで謝罪してくれるのは日本の鉄道会社だけです。
嬉しいことや感謝するべきことは就寝前だけではなく日常の中でも考えるようにしましょう。
人間の脳は怒りと喜びを同時に感じることは出来ません。
喜びや感謝を感じる時間を増やすことを習慣化することで脳が怒る時間を減らすのです。
怒りっぽさというのはクセです。心のクセなのです。
なので急に変えることはできません。
しかし少しずつ矯正していくことは可能です。
諦めずに継続することが大切です。
自分はどう生きたいのか?を知る
上記で説明した書くことは自分が何を大切にしているのか?つまりは自分の価値観を知ることにも繋がります。
怒りの感情が一切沸いてこないようにすることは不可能です。
そもそも消す必要はないのです。消すのではなく瑣末なことで怒らないようにすれば良いのです。
ちょっとしたことで怒る人と怒らない人の差には満たされているかどうかも関係しています。
これはお金を持っているとか社会的地位が高いとかではありません。
自分の価値観に合った生き方が出来ているかどうかが大きいのです。
どんなにお金があっても怒りっぽい人は本当は人からの感謝が欲しいのかもしれません。
お金を持っていないから自分は不幸だと世の中や親を恨んでいる人もお金を持ったからといって本当に満たされるとは限りません。
自分を満たしてくれるものを既に手に入れている可能性だってあります。
それが家族なのか仲間なのか趣味なのかは人それぞれ違います。
自分が本当に大切にしたいことは何なのかが分かれば、どうでも良い他人のことなど瑣末なことに過ぎないということに気がつきます。
自分の生き方を見つけそれに邁進することも怒りっぽい人間から脱却する手段の一つなのです。