性格を変える方法はあるがそれに失敗すると逆効果になる

性格を変えられるということはいくつかの研究で示唆されています。
反対に何十年経過しても変化はなかったという結果もあります。

私としてはカウンセリングをしている中で変化していった人を何人も見ていますから性格は変えられるのだろうと思っています。

変わるか変わらないかは自分自身で意図的に介入したかどうかの違いだと思います。

その方法は認知や思考のクセを変えるトレーニングなど色々あります。
それぞれに合った方法を選択すれば性格を変えることはできます。

しかしやり方を間違えてしまうと逆効果になることもあります。

簡単なタスクに取り組むだけでも性格は変わる

アメリカ・サザンメソジスト大学の研究者が377人の学生に15週間に渡って性格を変えるためのトレーニングを行わせた実験があります。

事前にビッグファイブという心理学の世界で最も有名ともいえる5つの性格特性を評価しています。
具体的には以下の5つです。

  • 開放性(新しいことへのチャレンジ)
  • 誠実性(物事に集中して取り組む力)
  • 外向性(社交的かどうか)
  • 協調性(他者との協力・共感)
  • 神経症傾向(感情の安定)

実験に参加した学生が最も変えたいと思っていた性格は外向性と神経症傾向です。

つまり精神的に安定した性格や他者とのコミニュケーションを円滑にする能力を手に入れたいと思っている人が多いということです。

トレーニングは専門家によって提案されたいくつかのタスクの中から変化させたい性格に応じたものを行います。

レジの店員に挨拶をするとかクラスでリーダー的役割を果たす、外国のニュースを見るなどの行動課題が含まれています。

そして一週間ごとにそれが達成できたかどうかを確認します。
出来た場合にはより難しい課題に取り組むか同じ課題の頻度を増やしていきます。

これらのタスクを継続することでどうなったかというとビッグファイブの性格特性は良い方へと変化しました。

取り組んだことの難易度は関係ありませんでした。
つまり簡単なタスクであってもそれを達成することによって性格特性に変化が表れたのです。

課題を達成できないと逆効果になる

上記の実験には注意しなければならない点があります。

まず参加していたのは心理学部の学生です。そのため通常の人よりも知識があるということです。

また実験の意図を汲み取り好ましい結果になるように回答してしまうこともあります。
このような効果を「実験者効果」といいます。それが起こった可能性もあります。
(それでもトレーニングによって性格が変わるということは間違いのないことだと個人的には思います)

しかしここで注目すべきことは性格が良い方に変わった参加者だけではありません。

悪いほうに変わってしまった参加者の変化も注目すべきです。
タスクを達成できなかった参加者たちは自分が望む性格とは反対方向へと変化したのです。
何も変わらなかったのではなくマイナス方向にいってしまったのです。

なぜこのような結果になったのかハッキリとした原因は分かりません。
1つの可能性としては課題を達成できなかったことにより「やっぱり自分はダメなんだ」という思いを強めてしまったことが考えられます。

現実の世界でも自分はコミュニケーションが苦手と思っている人はうまくいかなかったときのことだけ記憶しているためその思考を強めてしまいます。
そして行動に制限がかかりますから次回も同じような失敗をすることで負のサイクルに入り込んでしまうのです。

性格を変えるのは無理なことではありませんが最初から難易度の高い方法に取り組むと逆効果になってしまうこともあります。
できるハードルからクリアしていくことが大切です。

参考文献:Nathan Hudson, et al. (2019). You have to follow through: Attaining behavioral change goals predicts volitional personality change.

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