トラウマは存在しないとして否定するのは危険

最近カウンセリングを受けに来る人の中に「トラウマは存在しないんですよね」という人が何人かいらっしゃいました。
最近、なぜか日本でのみ流行している某心理学のようです。

残念ながらトラウマは存在しますし無いものとして否定しても悩みや恐怖症を改善するのは難しいと思います。

もっと言ってしまうとその心理学の創始者と言われる人もトラウマは否定していませし、その人の娘はトラウマ研究の権威の一人です。後世の人が曲解して本を出版しただけです。

トラウマが存在しないことの根拠として「本当にトラウマが存在するのなら全員に症状が出なければおかしい」というものがあります。

冷静に考えれば分かることですが活字にされると多くの人は信じてしまいます。

例えばあなたが誰かに殴られて骨折をしたとします。
病院に行って「殴られました」と伝えたときに医者が「殴られたことが原因なら殴られた人は全員骨折しなければおかしい」と言ったらどうでしょうか?

殴られる強さや殴られた側の肉体的な強さによっても変わることです。

トラウマもこれと同じです。心に傷を負ったからといって全員に症状が出るとは限らないのは当然のことです。

またトラウマによる症状が目的ありきだという主張も間違いです。

例えば大人になっても大袈裟なウソをつく人がいるのはなぜかを考えてみましょう。

理由の一つは注目を浴びたいからですね。
子供の頃に親から十分に愛情を注いでもらえなかったためそれがトラウマになっている可能性があります。

しかしトラウマを否定する人は「注目を浴びたいという目的があるからウソをつく」と主張します。

これも変な話ですね。
「注目を浴びたい」という目的はトラウマがあるから芽生えるのです。

目的の原因となっているトラウマを存在しないものとして考えるのは非常に危険なことです。

トラウマを否定する人達は「トラウマ」という言葉をなるべく使わずにトラウマを説明しているに過ぎないのです。

精神的な苦悩を抱えている人の中にはトラウマが原因ではない人ももちろんいます。

つまり結論は「トラウマの影響を受けている人もいれば、受けていない人もいる。
受けていない人がいるからといってトラウマが存在しない理由にはならない」ということです。

心理学や哲学の中には言葉遊びで誤魔化す学派が決して少なくはありません。

わざと回りくどい言い方をすることで論理が破綻していることを隠そうとします。
もしくは元々論理的な思考が苦手な人達が生み出した考え方と言えます。

目新しい主張は人々の注目を集めやすく長年悩みを抱えていた人も飛びつきやすいです。

しかしこの手の主張はどこかに綻びが生じているケースが多々あります。

仮にトラウマが存在しないのだとすればパワハラによりPTSDになった人への慰謝料の支払いを命じた裁判の判決は全て覆されることになります。

臨床経験の乏しい人達の主張を真に受けてしまうのは危険です。

自分で複数の情報を精査して何が正しいのか判断する能力を身につける必要があります。

この文章も間違っているかもしれないと疑って読んだ方が良いでしょう。

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