HSPの中には寝起きが悪かったり、朝から気持ち悪いという人がいます。
もしかしたら目覚まし時計やスマホのアラーム機能で目覚めていることが原因かもしれません。
人間は急な音で起こされると敵に襲われたときと同じ反応をしてしまうのです。
そのため調子が悪くなってしまうのかもしれません。
人間は光で起きるようになっている
太陽の光で起きて、暗くなったら寝るというのが人間の体にとって自然なリズムです。
どういうことかもう少し詳しく説明しましょう。
わたしたちがなぜ眠くなるのかというと脳内の松果体でメラトニンというホルモンが生成されるからです。(※1)
このメラトニンは光を浴びると生成が抑えられます。朝と夜では生成量が10倍以上違います。
朝になると太陽の光で起きることが出来るのはこのためです。
人間の体は太陽光によって体内時計を調整するようになっているのです。
(※1:眠くなるメカニズムとしては他に疲れが溜まるからということがあります)
音で起きると負担が大きい
当たり前のことですが目覚まし時計の音やスマホのアラームは急に鳴り出します。
このように驚かされて起きるのは良くありません。
目覚ましが鳴る⇒「敵が来た」と思ってしまう
ビックリして起きるとストレスホルモンであるコルチゾールのレベルが上がります。
自律神経が高ぶり心拍数と血圧も上がります。
この反応を「闘争か逃走の反応」といいます。
敵に遭遇したときに闘うにも逃げるにも適した体の状態ということです。リラックス状態とは真逆の状態です。
朝起きた瞬間から急にこのモードにしてしまうと大きな負担がかかります。
急な音で起きると人間の体は「敵が来た!」と判断してしまうのです。
目覚ましは心拍数と血圧にも悪影響
目覚ましやアラームを使って起きるのは毎朝ライオンに襲われているようなものです。これはHSPの人に限った話ではありません。
自分のタイミングで起きた人と比べたときに音で起きた人は心拍数と血圧が高いという研究結果もあります。
HSPの人の場合、寝起きでバランスを崩すとそれが影響してその日ずっと調子が悪いということにもなりかねません。
スヌーズ機能は健康に悪い
1回で起きる自信のない人や二度寝が好きな人の中にはスヌーズ機能を利用している人もいるでしょう。
しかしこれも健康にはよろしくありません。
二度寝を繰り返すと起きられない体になる
人間は目が覚める少し前から起きるための準備をしています。
そして目が覚めてからも神経伝達物質が準備を整えるまでに時間がかかります。
そのときに二度寝をしてしまうとそれがリセットされてしまうのです。
そして脳が「起きるの?寝るの?どっちなの?」と混乱します。
これを毎日繰り返していると起きるのが困難になっていきます。
スヌーズ間の眠りは回復につながらない
スヌーズ間の眠りは気持ち良いものですがそれが回復につながることはありません。
目が覚めたらその状態で布団の中でゆっくりするのは良いですが、二度寝はするべきではありません。
体に負担を掛けないようにゆっくりと布団から出ましょう。
「しまった!遅刻だ!」と焦って急に起き上がるのも心臓に負担がかかるのでやめましょう。
コンビニに行くと眠れなくなる
これまで説明してきたように人間は光の刺激でゆっくりと起床するのが一番良いのです。
メラトニンの分泌を抑制し目覚めさせてくれる光のレベルはおよそ500ルクス以上です。
日中の屋外だと曇りの日で5,000ルクス以上、晴天だと100,000ルクスを超えることもあります。
ですから外の街灯が眩しくないのであればカーテンを開けたまま眠って朝の光で起きるというのも一つの方法です。
光で起こしてくれる目覚まし時計もありますからそれも良いでしょう。
レム睡眠時に起きればスッキリする
HSPの人の中には眩しいのが苦手で光で起きることは難しいという人もいます。
そういう場合は目覚ましが鳴る前に目覚める習慣をつけましょう。
自分のタイミングで起きるということは浅い眠り(レム睡眠)のときに起きるということです。
この状態のときはスッキリと目覚めることが出来ます。
反対に深い眠り(ノンレム睡眠)のときに起きると目覚めが悪いです。
繰り返しノンレム睡眠のときに起きていると認知機能に悪影響を与えるという研究もあります。
どうしても音でないと起きられないという人はボリュームがだんだんと大きくなるアプリもありますからそういったものを活用すると良いと思います。
コンビニの照明は明る過ぎるので眠れなくなる
それから遅い時間にコンビニに行くことも睡眠の質を悪くする一つの要因となります。
なぜなら照明の明るさが1,000から2,000ルクスほどあるためメラトニンの分泌が抑制され眠りにくくなってしまうからです。
無意識にしている行動が睡眠の質を下げている可能性がありますから一度見直してみてください。