HSPが理解されないときの考え方

HSPが理解されないときの考え方
 

HSPは共感力が高すぎるという悩みと同時に周囲の共感力が低すぎて理解されないという悩みを持つこともあります。実はこの悩みはこれからも高まる可能性があります。なぜなら人々の共感力は年々下がっていることが研究でも分かっているからです。このような世の中でHSPが消耗せずに生きるためには分かってくれない人に無理に分かってもらおうとしないことです。

現代人の共感力は低い

ミシガン大学が過去と現在の大学生の共感性について調べたデータがあります。
1979年から2009年の間に当時の大学生によって回答された「対人反応性指標(Interpersonal Reactivity Index)」を分析したのです。

対人反応性指標は共感性を総合的に測定できる尺度で以下の4つを調べることができます。

  • 共感的な関心:相手に配慮し優しく気遣えるか
  • 視点の取得:相手の立場で考えることができるか
  • 個人的苦痛:相手の苦痛が自分の恐怖や不安につながる傾向
  • 想像性:テレビや映画の登場人物に感情移入する傾向

13,737人の回答を分析したところ個人的苦痛と想像性は過去と現在で変化はありませんでした。
しかし共感的な関心と視点の取得については低下していることが分かりました。とくに2000年以降の低下が顕著でした。

つまり自分よりも恵まれていない人に対して優しく気遣う気持ちを持つ傾向や相手の立場から物事がどのように見えるかを想像して相手をよく理解しようとする傾向は昔より今の人のほうが低いということです。

なぜ共感力が下がったのか?

なぜ現代人の共感力は低下しているのでしょうか?

理由の一つとしてSNSの台頭が挙げられます。現実ではなくネット上でのやり取りが増えることで相手の気持ちを想像する能力が育ちにくいということです。またSNSの使用により自分は特別な人間というナルシシズム傾向が高まり他人のことより自分のことという感覚が強まっている可能性もあります。

ナルシシズムに関してはSNSに限らず1980年代に親になった世代からすでに出ているという研究もあります。子供の共感力と親のナルシシズムは反比例するといわれていますからこの世代を親に持つ2000年代の大学生の共感力が落ちているのも不思議ではありません。

HSPという言葉ができたのは90年代ですが近年さらに注目されるようになった理由の一つは共感力の下がった人が増えたことでHSPが「理解されない」と感じることが増えてきたからということかもしれません。

1割か2割の人にだけ分かってもらえれば良い

社会の変化は共感性に影響を与え、それが社会にフィードバックされると言われます。つまり一度、共感しない方向へ向かった社会は相互作用によりますます共感しなくなるのです。

そんな中で共感力の高いHSPは理解されないと感じることが多くなるのかもしれません。

しかし相手が理解しないのは相手の頭の中の問題であってあなたの問題ではありません。そしてあなたの共感力が高いのもあなたの頭の中の問題です。

分かってくれない人に分かってもらおうとする必要はありません。他人を変えるのは大変です。人口の20%から30%はHSPといわれていますから分かり合える人達と深い関係を結べば良いのです。

ちなみに人間関係をうまくいかせるコツは「自分が本当に好きだと思える1割か2割の人にだけ分かってもらえれば良いや」と考えて行動することです。どうでも良い人のためにエネルギーを使うと大切な人のために使う分がなくなってしまいます。

参考にした論文:Changes in Dispositional Empathy in American College Students Over Time: A Meta-Analysis