HSPとマインドフルネスストレス低減法(MBSR)の実験的研究

マインドフルネスはHSPの人のストレスや不安の低減と相性が良いことはよく言われます。

少し前ですがマインドフルネスストレス低減法がHSPにどのような影響を与えるのかという研究が「Europe’s Journal of Psychology」という学術誌に掲載されていました。

オープンユニバーシティーのイルゼ・ソーンズ氏らの研究です。結果としてはストレスや社会不安などHSPに関連する項目について改善が見られたと結論づけられています。(ただしHSPの改善とは言及していません)

マインドフルネスストレス低減法は瞑想やヨガなどを取り入れた手法でストレスの対処などに効果があると実証されています。
英語ではMBSR(Mindfulness-based stress reduction)と言われます。

実験の内容

HSPへのマインドフルネスストレス低減法のスケジュール

実験でどのようなマインドフルネスストレス低減法を行ったかというとヨガ、瞑想、ボディスキャン(体の様々な部位の感覚を知覚すること)などです。(ごく一般的なマインドフルネスストレス低減法です)

これを8つのセッションに分けて2時間半ずつ8週間行います。また自宅でも45分以上のトレーニングを週に6日以上行います。

観察する項目

この実験で変化を観察するのはストレス、社会不安、自己受容、感情的な共感、自己成長のイニシアティブ、自己超越についてです。

1つだけでこれらを同時に判定できるテストは存在しないためそれぞれの項目ごとに異なるテストを採用しています。そのためそれぞれの数値の上限も異なります。

テストの回答形式はリッカート尺度です。(「あてはまる」「非常にあてはまる」「どちらともいえない」などの選択肢を選ぶ形式)

実験には18歳から75歳までの47人(男性:13人、女性37人)が被験者として参加しました。(平均年齢は39.23歳)

手順

被験者は2つのグループに分けられ異なるタイミングでテストとマインドフルネスストレス低減法を行います。

第1グループは最初にテストに回答し8週間のマインドフルネスストレス低減法を行い再びテストに回答します。その4週間後に再びテストに回答します。

第2グループ(比較群)は最初にテストに回答し8週間の待機期間を経て再び同じテストに回答します。そのあとにマインドフルネスストレス低減法を行いテストに回答します。その4週間後に再びテストに回答します。

なぜこのようにタイミングをずらすかというと同じテストでも1回目と2回目では結果が大きく異なる可能性があるためです。

大きく異なる結果が出た場合にそれがマインドフルネスストレス低減法によるものなのかテストを2回受けたことによるものなのか分かるようにするため、2つのグループに異なるタイミングで実験を行うのです。

実験結果

実験の結果、マインドフルネスストレス低減法によってストレス、社会不安、自己受容、感情的な共感、自己成長のイニシアティブ、自己超越のすべてにおいて良い効果が出たことを裏付けています。

特にストレス、社会不安、自己受容について大きな変化が見られています。

ストレスを測定する尺度

ストレスの測定には知覚ストレス尺度(Perceived Stress Scale PSS)というテストを採用しています。

過去一か月のストレスについての質問です。「気が動転したことはあるか?」「神経質になっているか?」などの14項目の質問に0(なし)から4(非常によくある)までの5段階で回答します。

結果

第1グループでは事前のテストで33.29だった数値がマインドフルネスストレス低減法を行った後のテストでは24.96まで下がっています。さらに4ヶ月後のテストでも23.46と低いままの状態を維持しています。

第2グループでも同様にマインドフルネスストレス低減法によってストレス値が下がり4ヶ月後の追跡調査によっても低い状態を維持していました。

実験後の4ヶ月については特に指示はなく自主的にマインドフルネスストレス低減法を継続していた人も含まれている可能性が高いです。

その他の数値

その他の数値は以下の表の通りです。(※それぞれ測定に使用するテストが異なるため上限の数値は異なります)

HSPへのマインドフルネスストレス低減法の結果

特記事項

この実験の結果からマインドフルネスストレス低減法がHSPに関連するストレスや不安の改善に効果があるということが分かります。

しかしHSPの改善に効果があるとは言い切れないとしています。

またこの実験では参加者の知的レベルが比較的高かったことと、参加者が医師によって選ばれたことを考慮しなければなりません。

マインドフルネスストレス低減法の中の一部のプログラムのみが影響を与えている可能性もあります。

とはいえ私のカウンセリング経験からもマインドフルネスがHSPをはじめとするストレスや不安を抱えた人たちの改善に影響を与えているケースは決して少なくありません。

References:Ilse Soons,Andre Brouwers,Welko Tomic「An experimental study of the psychological impact of a MindfulnessBased Stress Reduction Program on highly sensitive persons」(Europe’s Journal of Psychology)

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