HSPの特徴

他人の気持ちや顔色を気にしすぎたり環境からの影響を受けやすくて生きづらさを感じている人はHSPかもしれません。

HSPとは「Highly Sensitive Person」の頭文字を取った言葉で日本語では「とても敏感な人」などと訳されます。

HSPは病気や障害ではなく生まれ持った気質です。

HSPは新しい概念

HSPという概念はアメリカの心理学者であるエレイン・N・アーロン博士が1990年代に発表したのが最初です。

感受性が強く神経がたかぶりやすい

博士自身が敏感すぎるがゆえの生きづらさを感じており、研究を進める中で周囲の出来事を繊細に感じ取ることが出来る人たちが一定数いることを発見しました。

このような人達は外部からの情報を細かく読み取る能力に優れている反面、神経が高ぶりやすくちょっとしたことでも動揺したり精神的にも肉体的にも疲弊してしまうという特徴を持っています。

人口の約20%いるとされている

HSPの人は人口の20%ほどいると言われています。
つまり5人に1人は程度の差こそあれ敏感すぎる気質を持っているのです。

とても敏感な人達はHSPという概念が生まれるまでは神経質な人、シャイな人、精神的に弱い人などという言葉で表現され生きづらさが理解されずにいました。

場合によってはうつ病などの精神疾患と診断されることもありました。

心の特徴

敏感すぎて生きづらいという気質を持つHSPですが具体的には次のような特徴を持っています。
(※より詳細な内容はHSPの診断テストを参照してください)

他人を気にしすぎてしまう

多くの人に共通する特徴としてまず他人の反応を気にし過ぎてしまいその影響を受けやすいということが挙げられます。

相手の反応がほんの少し変わっただけでもHSPの人は気づくことが出来ます。

そしてその変化を見て自分に対して怒っているのではないかと不安になってしまうことがあります。

そのためそれほど仲の良くない相手と一緒にいたり大勢が参加する飲み会などに参加すると非常に疲れます。

一人きりになれるところに逃げ出したい気持ちになることもあります。

他人の感情が勝手に入り込む

他人の感情が伝染しやすいという特徴もあります。

伝染というよりも他人の感情が勝手に入り込んでくるというほうがしっくりくるかもしれません。

例えば他人が怒られているのを見ると自分まで落ち込んでしまうことがあります。
自分が悪いことをしたような気持ちになることもあります。

HSPの人の中にはドラマや映画の暴力シーンや登場人物の感情が爆発しているシーンが苦手という人もいます。

それらのシーンを見ることで自分の感情も乱されてしまうからです。

自己評価が低い

HSPの人は自分に対する評価が低いという特徴もあります。そのため常に完璧を目指し自分に対するハードルを上げてしまいます。

鈍感な人であればほどほどで良いやと思えることでもHSPの人は完璧を求めそれが出来ないと自分を責めてしまいます。

人によって様々な悩みを抱えていますが共通することは最終的には生きづらさへと繋がっているということです。

身体的な反応

HSPの人は感覚器も敏感なため身体的にも外部からの刺激を受けやすいといえます。

例えば職場で他の人が出す音が気になったり化粧品の匂いが気になってしまい集中できないことがあります。

また現代は様々な電磁波が飛び交っておりそれらの影響を受けて体調不良を起こしてしまうこともあります。

特定の場所に行くと決まって体調が悪くなってしまう人は電磁波の影響を受けている可能性も考えられます。

食べ物からの刺激にも敏感でカフェインや科学調味料を摂取に反応して気分が悪くなってしまう人もいます。

このように感覚器官からのちょっとした刺激に大きく反応してしまうのもHSPの特徴といえます。

遺伝的な要因

HSPは病気ではなく気質です。

気質とういのは生まれ持っている遺伝的な特質です。

行動抑制システム

HSPの人は生まれながらに敏感な脳のセンサーを持っているのです。

脳の中には危険を回避するための行動抑制システムという仕組みがあると考えられています。

このシステムが働いているときに人間は外部からの情報を多く取り込み状況を判断し慎重になるのです。

HSPの人はこのシステムが活発であるため敏感になっているというのが一つの説となっています。

脳のミラーニューロン

また人間の脳には他人の行動を見ると自分も同じことをしているように反応するミラーニューロンという神経細胞があります。

HSPの人はこのミュラーニューロンも活発なため他人の影響を受けやすいとも言われています。

なぜHSPの能力を持つ人がいるのか?

なぜ一部の人々だけこのような敏感なセンサーを備えているのでしょうか?
一つの理由として人類の生存戦略が考えられます。

人類に敏感な人が全く存在せすに鈍感な人ばかりだった場合、他の動物からの攻撃に気づくことが遅れたり、食べてはいけない植物を躊躇なく食べてしまう可能性があります。

すると人類はあっという間に滅亡してしまいます。
こういったリスクを減らすために一部の人には敏感なセンサーが備わっているのではないかという説があります。

時の権力者達の相談役的なポジションにいた人はHSPとしての気質を持つ人が多かったのではないかとも言われています。

社会全体として見た場合に敏感な人が一定数いることによってバランスが取れているのです。

そういった意味ではHSPの人達は特別な能力を授けられた存在だと言えます。

環境要因

HSPの人の敏感さは先天的なものですが同じ敏感さを持っていても生きづらさを感じていない人もいます。

これは育った環境や周りの人の影響が大きいと言えます。

敏感な脳のシステムを持っていてもどう育つかによって敏感さの程度や種類は違ってくるのです。

特に子供の頃の家庭環境は大きな影響を与えます。

例えば親が虐待をするような過程で育つと自分を守るために情報を敏感にキャッチしようとします。

すると生まれ持った敏感気質がさらに研ぎ澄まされていくのです。

虐待に限らず危機感を覚えるような環境で育った人は敏感さに磨きがかかるので生きづらさを感じやすくなると言えます。

反対に安心できる環境で育った人の場合はもともと備わっている敏感さがそれほど磨かれることはないと考えられます。

高機能な脳の扱い方を知る

HSPは遺伝と環境の両方の影響を受けているということはこれまで説明した通りです。

生きづらさを解消するためには環境のせいで後天的に身につけた「相手の気持ちを気にし過ぎる思考」や「傷つきやすい心」を改善することに主眼を置きます。

これらの部分を改善するだけでも生きづらさは解消されていくと考えられます。
敏感さを消すのではなくそれをどう扱うかということが大切なのです。

そもそも生まれ持った敏感さを鈍感にするということは「改善」ではなく「改悪」です。

HSPの人の中にはその能力を活かして芸術やクリエイティブな世界で活躍している人がたくさんいます。

これらの仕事は生まれながらに敏感なセンサーや感受性を持っているからこそ成功する類のものです。

趣味として小説や絵を描くことで今までに感じたことのない喜びを得られることもあります。

HSPはマイナス部分の改善だけではなく突出した能力を楽しむ方法も身につけることでより良い生き方が出来るといえます。

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