研究でもHSPの人は共感に関連する脳の部位が活発なことが分かっています。
そのため感情が反応しやすく涙もろい人もいます。
しかし泣いてはいけない場面でまで感情が高ぶってしまうと困ってしまいます。
そんなときに涙をこらえるテクニックを紹介します。
涙もろくなる仕組み
涙もろい人とそうでない人の違いの一つに共感のしやすさがあります。
他人の感情に共感しやすい脳を持っている人は他人のことであっても感情が伝染するような感覚を得やすいため涙を流しやすいのです。
また感情的な出来事に遭遇し涙を流すとそれが条件づけされ同じような体験をしたときに泣きやすくなることもあります。
年を取ると脳内で感情をコントロールする背外側前頭前野という部位の働きが弱くなるので涙をこらえきれなくなることもあります。
HSPは共感しやすい脳を持っている
HSPで涙もろい人は脳の共感に関連する部位の反応が強い可能性があります。
カリフォルニア大学が22~40歳までの交際中(または結婚中)の男女を対象にHSPと脳の関連を調べた実験があります。
この実験ではパートナーや他の人の様々な表情の写真を見たときの脳の働きを調べました。
その結果、HSP傾向が高い人ほど喜びや悲しみの表情の写真を見たときに下前頭回などの部位が活発化することが分かったのです。
下前頭回は脳内の共感に関連するとされる部位です。
ここを損傷すると相手の表情から情動を認識することが困難になるというハイファ大学の報告もあります。
泣くのをこらえる方法
涙もろいのは悪いことではありません。涙を流すことで副交感神経が優位になりますからリラックスすることができます。
しかし仕事中など人前で泣くわけにはいかないときもあります。
深呼吸やあえて笑顔をつくることで涙を抑えられるといわれているのでこれらを試してみても良いですが会議中などそれが不可能なシチュエーションもあります。
そんなときは別のことに集中すると良いです。
例えば誰かと話しているときであれば自分の表情は相手に不快感を与えていないかとか話し声は聞き取りやすいかなど自分の行動と結びついたことに集中するのです。
人間は二つのことを同時に考えることはできないといわれているので涙を誘う要因とは別のものに注意を向ければ良いのです。
またストレスが溜まり続けることで突然涙が流れてくることもあります。
HSPの人はストレスが溜まりやすいので日頃からメンタルのケアをしておくことも重要です。
参考にした論文
・The highly sensitive brain: an fMRI study of sensoryprocessing sensitivity and response to others’ emotions
・Two Systems for Empathy: A Double Dissociation Between Emotional and Cognitive Empathy in Inferior Frontal Gyrus Versus Ventromedial Prefrontal Lesions