他人の表情や言動に敏感すぎるのはHSPの人だけではありません。
トラウマによって傷つき続けた人が防御対策として空気を読みすぎるということもあるのです。
そしてトラウマによる敏感さを抱えた人は自分がHSPであると勘違いすることもあります。
この二つは重なる部分もありますが克服方法は根本的に異なりますので気をつけなければなりません。
トラウマ体験によって他人に敏感になる
幼少期の環境や心に大きな傷を残す出来事を体験することによって他人の顔色を敏感に察知するクセがついてしまう可能性があります。
暴力を振るったりヒステリックに怒鳴りつける親に育てられることで常に親の顔色を伺っていた人は大人になってからもそのクセが抜けなくなるのです。
職場の同僚や友人、街ですれ違っただけの人の表情の変化に敏感になります。
これは相手が自分に攻撃したときにすぐに防御体勢に入るため無意識に行ってしまう行為です。
自分をHSPに当てはめる
HSPの敏感さは生まれつきの気質に因ることがほとんどです。(もちろん育った環境の影響により敏感さの大きさは変化しますが)
子供時代の敏感さを忘れていることもある
生まれつきの気質ということは子供時代から自分は敏感であるという認識はしているはずです。
HSPの人は大人になってから子供時代を振り返ると思い当たる体験が多くあります。
しかし記憶というのは曖昧なもので事実を変化させて覚えていることもあれば大人になってから捉え方を変えることもあります。
HSPではない人が大人になってから過去の体験をHSPの特徴であると誤って捉えることがあります。
トラウマによる敏感さをHSPと勘違いする
過去の何らかのトラウマが今の敏感さを形作っている人はHSPのことを知ると自分もそうであると勘違いしやすいのです。
小学校時代に友達と喧嘩して泣いてしまった体験や思春期特有の悩みを全て「敏感に反応していた」と捉え直してしまうのです。
確証バイアス
HSPの特徴というのは傷ついているときに見ると全て自分に当てはまるように感じてしまいます。
そして人間には「確証バイアス」といって自分が一度こうだと思い込むとそれを証明してくれる情報ばかり注目する特徴があります。
自分がHSPだと思い込んだ人はそれに当てはまる情報ばかり注目してしまうのです。そして当てはまりそうな情報は当てはまるように歪めます。
トラウマとHSPの克服法は異なる
トラウマによって他人に敏感になってしまうのは自尊感情の低さや傷つけられるかもしれないという過度の不安が原因です。
物事の捉え方がマイナス方向に歪んでいるのです。これはHSPによる敏感さとは異なります。
トラウマによる敏感さはHSPとは異なったアプローチが必要なのです。トラウマによる敏感さは原因を知り低くなった自尊感情を元に戻す必要があります。
カウンセリングをしているとトラウマによる敏感さをHSPだと勘違いしている相談者は少なくありません。
HSPだと認めることで「生まれつきなんだから仕方ない」という安心感を求めていないかもう一度自分を見つめなおしてください。