HSPはカウンセラーに向いてないかも

HSPはカウンセラーに向いてないかも
 

カウンセラーにとって共感力というのは非常に重要な能力です。しかしHSPがこの共感力を活かしてカウンセラーになると危険なことがあります。

カウンセラーに必要な共感力

共感には大きく分けて2種類があります。相手の感情が勝手に入ってくる「情動的共感」と相手の立場で感情を推測する「認知的共感」です。HSPは情動的共感が強いということが脳の反応を測定した実験からも分かっています。

しかし相談に来た人に情動的に反応することはカウンセリングでは避けるべきこととされています。自分が疲弊しますし相談者に何をすべきかということを冷静に判断できなくなるからです。

カウンセラーにとってはどちらかといえば認知的共感のほうが重要なのです。
「いまこの人はなぜこのような感情が芽生えているのだろうか?どうすれば良い方向にいくのだろうか?」ということを科学的根拠に基づいて推察する能力です。

もちろんHSPだから認知的共感が低いということではありません。むしろ今後の研究で認知的共感もHSPの特性の一つという証拠が出る可能性もあります。
しかしどんなに認知的共感ができても情動的共感が強くそれをうまくコントロール出来ない人がカウンセラーになると自分自身が病んでしまうかもしれません。

HSPの提唱者であるエレイン・アーロン博士もHSPがカウンセラーなどの心理職に向いているといったようなことを言っています。しかし「他人に奉仕することが自分の天職だと信じ燃え尽きてしまう」とも言っていますから気をつけてください。

感受性の強い人がトラウマ体験をした人の話を聞くと自分まで同じ傷を負ったような反応が生じてしまう「二次受傷」のリスクもあります。

「私もHSP」とアピールしてはいけない

HSPカウンセラーを名乗る人の多くが自分もHSPだということをアピールします。実はこれもカウンセリングではすべきでないこととされています。

なぜならカウンセラー側が私も苦しんでましたとアピールをしたら相談に来る人が不安になることもあるからです。
カウンセラーも精神的に不安定になることもあります。しかし「常に安定している人」と認識してもらったほうが相談者は安心するのです。

エレイン・アーロン博士が自身もHSPだということを言っているのでそれを真似ているカウンセラーが多いのかもしれません。しかし博士はカウンセリングの集客のために自分がHSPだと言っているのではありません。そもそも博士は相談を受けることもあるかもしれませんが本職はカウンセラーではなく心理学者です。

「私もHSP」と言ってはいけないということではありません。カウンセリングにおいて「自分もHSPだから分かる」ということのみを根拠にしたり、集客のアピールにしてはいけないということです。

自分もHSPということをアピールするカウンセラーは自分の体験を相談者に当てはめることしか出来ないので間違えたカウンセリングをしてしまうかもしれません。

HSPはカウンセラーに向いているという研究もある

あなたがHSPだったとしたら自分もカウンセラーになれるのでは?と思うのは自然なことです。

HSPカウンセラーのブログや動画は何となく良いことを言っている雰囲気を醸し出してはいるものの中身はただの個人的な感想でしかないことが多いです。こういったものばかり見ていれば自分にも出来るのではないかと思うのは当然です。

しかしブログや動画を見るときは「HSPに関する本を一冊読んでいれば誰でも語れる内容では?」という視点を持ってください。そすうれば「HSPは敏感すぎるので自分を労わりましょう」としか言っていないことに気づくはずです。

そして自分もそういうことしか出来ないと思うならカウンセラーはやめたほうが良いと思います。迷えるHSPを増やすだけになってしまいます。それに何よりも自分が潰れてしまいます。

とはいえHSPの特性とカウンセラーに必要な資質には重なる部分が複数あるというシアトルシティ大学の研究もありますから自分の特性を上手く活かすことができれば良いカウンセラーになれると思います。

参考にした論文:An Investigation Into the Construct of the Highly Sensitive Person and the Personality Traits Which Make for an Effective Counsellor.