HSS(感覚刺激追求型)とは

HSS(High Sensation Seeking)とは強い刺激を追い求める気質のことです。
感覚刺激追求型、センセーションシーカー、感覚刺激欠乏者などと呼ばれることもあります。
危険な行動に興奮を覚えたり、常に新しい体験を求めるという特徴があります。

また退屈に対する耐性が低いため同じことの繰り返しが苦手といった特質も持っています。
HSSは好奇心が強く新しい刺激を追い求めるためにリスクを過少評価することがあります。
それにより肉体的、社会的、法的、そして金銭的な損失を負う可能性があります。

良い面としてはストレスを感じにくく、回復力があり、危機に直面しても落ち着いていられるといったことが挙げられます。

HSSの特徴

HSSはデラウェア大学のマーヴィン・スッカーマン博士が提唱した概念です。

博士は刺激的なことを探し続ける性質(センセーションシーキング)を測定するための感覚探求尺度(SSS-V)というテストを開発しました。

このテストには以下の4つの尺度がありそれぞれの特質がHSSを構成しています。
HSSでも人によってどの特徴が際立っているかは異なり、それぞれが個人の感覚を追い求めたり回避する方法に影響を与えています。

スリルとリスクの冒険探求(Thrill and adventure seeking)

弱い刺激では興奮を覚えられないHSSは危険な行動を追い求めます。
スカイダイビングなどのエクストリームスポーツを好む傾向にあります。

リスクは無視するか実際よりも小さく評価します。場合によってはそれさえも興奮を高める要素と考えます。
適度な恐怖に楽しみを見出しているのです。

経験の追求(Experience-seeking)

今までに味わったことのない感覚を追い求めるHSSは旅行や芸術などから刺激を求めます。
既存のものよりも型にはまらない斬新なものに惹かれます。
社会不適合者と呼ばれる人に惹かれることもあります。
幻覚剤などによってもたらされる心理的感覚を求める人もいます。

脱抑制(Disinhibition)

衝動や感情を抑えるのが苦手なHSSは過度の飲酒や不特定多数との性交、ときには薬物使用などの脱抑制行動によって刺激を求めます。
先のリスクを考慮しないためスピード違反や飲酒運転などをすることに抵抗を感じないこともあります。
性的にも奔放であるため妊娠や病気のリスクを考慮せずに関係を持つこともあります。

退屈さに対する高い感受性(Boredom susceptibility)

退屈を感じやすいHSSは常に新しいコトやモノ、人間関係を求めます。
単調なことを繰り返すような仕事は苦手です。
そのため刺激のない反復的な仕事よりはストレスがあっても興奮度合いの強い仕事を選ぶ傾向にあります。

また面白みのない人間と長時間過ごすことにも耐えられません。
それどころか馴染みのメンバーといることさえ退屈と感じてしまうのです。
つまらない状態が続くと極端な落ち着きのなさを経験することもあります。

研究結果から分かっていること

HSSがなぜ平均的な人よりも刺激やリスクを求めるのでしょうか?
はっきりとした原因は判明していませんが実験などによりいくつか分かっていることがあります。

神経伝達物質とホルモン

HSSはモノアミンオキシダーゼ(MAO)B型のレベルが低いとザッカーマンは博士は著書の中で述べています。
モノアミンオキシダーゼは神経伝達物質(ドーパミン)の調節に関与する酵素です。

ドーパミンは快感と関連する物質ですからHSSの人の場合は通常の人と異なる報酬回路の働きをしているのかもしれません。

HSSは女性よりも男性に多く見られます。
これはHSSがテストステロン値と正の相関があるからと考えられます。

感覚遮断されたときの反応

防音壁により感覚を遮断された部屋に長時間閉じ込められるという実験があります。
この実験においてはHSSの人がそうでない人よりもストレスを感じやすいという結果が出ています。

年齢との相関

HSSは幼少期から青年期にかけてその特徴を強くし、18~20歳前後をピークにその後は弱まると言われています。
若い頃に無茶をしていた人が大人になるにつれて落ち着いてくることからも分かるでしょう。

ただし退屈さに対する高い感受性は年齢とは相関が見られません。
年齢を重ねたからといって退屈に耐えられるようになるわけではないということです。

はっきりと断定は出来ませんが双子の研究などからHSSの特質は遺伝による可能性が指摘されています。

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