インターネット依存症とは生活の中で何よりもネットを優先し、ネットに接続できない環境にいるとイライラや不安を感じる症状を言います。
ソーシャルゲームやSNSなど依存するものは人によって違いますが、日常生活に支障が出るほどに依存しているという共通点があります。
インターネット依存症の特徴
一口にインターネット依存症といっても依存する対象によってタイプは様々です。代表的なネット依存のタイプについて説明します。
ネットゲームに依存するタイプ
ネットゲームの中にいるキャラクターのレベルを上げたり、アイテムに課金することに熱中します。
バーチャル世界の自分の分身がレベルアップすることで自分自身も成長したような錯覚に陥ります。
アイテム課金に何十万円もつぎ込んでしまい借金までする人もいます。
またゲーム内で出来た仲間と一緒にプレイすることを優先させ日常生活が疎かになります。
ネットゲームが盛り上がるのは仕事から帰ってきた社会人が参戦し始める夜から深夜にかけてです。
そのため寝不足になり、昼間の日常生活に悪影響を及ぼします。
自己顕示欲を満たすためにSNSにハマるタイプ
ツイッターやフェイスブック、インスタグラムなどのSNSにハマる人が多いのは自己顕示欲を満たすことが出来るからです。
コメントや「いいね」をもらうことで皆が注目してくれたという快感を得ることが出来るため、1日に何度も投稿してしまいます。
投稿した後は何人が「いいね」をしてくれたかが気になり、数分おきにチェックしないと落ち着かなくなってしまいます。
やがてSNSに投稿するための生活を送るようになってきます。
食べたいものではなくSNSに投稿すると自慢できる食べ物を選んだり、行きたい場所ではなく話題の場所に行くようになります。
目の前にいる相手よりもネットの向こう側にいる薄い関係の人を意識するようになり本当の友人が離れていきます。
実社会で満たされない欲求をネットで満たすタイプ
2ちゃんねるやヤフコメにハマる人に多いのがこのタイプです。
承認欲求が強いのに反して社会的地位が低い人の場合自分の意見を表明する機会は少ないです。
そういった人たちが自分の意見を多くの人に主張できるのがネットの掲示板です。
普段から抱えている社会や会社に対する不満をネット上でぶちまけることでストレスを解消していると言えます。
反対意見を言われると頭に血が上り必死に反論をしますが相手も同じタイプなので長々と不毛な議論を続け無駄な時間を過ごすことになります。
ネット上では職業や学歴について詐称してもバレないというのもこのタイプが依存してしまう要因の一つです。
ネットに重要情報があると信じ込んでいるタイプ
政治経済、医療、アングラ情報などを延々と検索し続ける人もネットに依存していると言えます。
マイナーなサイトに載っている新しい情報を見つけると自分だけが見つけた情報に高揚感を得て、その情報の信憑性については考えなくなります。
医療に関する間違えた情報を信じ込むことで取り返しのつかないことになる場合もあります。
ネット上に出される情報は専門書に比べ理解しやすい表現で書かれているため誰でも頭が良くなったような錯覚に陥ることもこのタイプの依存症を生み出す要因です。
インターネット依存症の症状
インターネット依存症の人は日常生活において特徴的な症状があらわれることがあります。
ネットに繋がらないと不安になる
インターネット依存症の多くに共通する特徴はネットに接続できないと不安やストレスを感じるということです。
ゲームが進んでいるかもしれない、SNSにイイネがついているかもしれない、チャットのメッセージが来ているかもしれないと常にネット内の動きを気にしています。
食事中や入浴中、トイレに行くときまでスマホを手放せないという人もいます。
スマホを自宅に忘れたまま外出してしまうと1日中不安になりストレスを感じてしまいます。
イライラしやすくなる
ネット上では何でも自分の思い通りにことが進みますし、先が見通しやすいです。失敗しても責められることはありませんしリセットできます。
他のプレイヤーがいても気に入らなければブロックすれば良いのでストレスのない人間関係を築くことができます。
しかし職場や学校、家庭では思い通りにならないことも多いためそのギャップにイライラします。
不健康になる
深夜遅くまでネットを続けることで寝不足になり不健康になります。
職場や学校にいるときの集中力も落ちてしまい効率が悪くなります。ミスも増えます。
また食事をする時間すら勿体無いと感じインスタント食品やお菓子で食欲を満たすため栄養バランスが崩れます。
実際にネット依存症の人は幻聴が聞こえたり、急に吐き気を催すという症例が報告されています。
インターネット依存症の原因
インターネット依存症の原因には様々なものが考えられますが、多くの人に共通することは実社会で精神的に満たされていないということです。
実社会の中で周囲からの評価が得られなかったり、人間関係に困難を感じるとネットの世界に逃げ込む人が多くいます。
ネット上の関係であれば嫌になったらシャットダウンしてしまえば済むので気楽です。
またソーシャルゲームの場合、お金と時間をかけてレベルアップすることで他のプレイヤーからの評価を得ることも出来ます。
実際の生活では得ることの出来ない快感を得ることが出来るためどんどんのめり込んでいくのです。
精神疾患との関連を示唆するデータもいくつか報告されています。
親が育児を面倒臭がったため子供の頃からネット環境を与えられた人はインターネット依存症になりやすいとも言われています。