恋愛理論はなぜ役に立たないのか?

巷には様々な恋愛理論が溢れています。
女性誌のコラムだったり恋愛カウンセラーを名乗る人が執筆した本などには「好きな人と付き合うためのテクニック」がたくさん載っています。
最近ではネットでそれらの情報を簡単に得ることもできますので、恋愛に悩んでいる人の中には悩みをグーグルで検索する人もいます。
しかしこれらの恋愛理論に従った行動をとって実際に好きな人と付き合えることになったという人は少ないのではないでしょうか?
これは当然のことです。恋愛理論があなたの元へ届くまでには様々な改変が行われているのです。

恋愛理論が広まる過程

恋愛理論と呼ばれるものが一般に流布するまでにどのような流れを辿るのでしょうか?
例えば以下のような心理学実験が行われたとします。(例えなので数値は適当です)

<100人の男性への質問>
「あなたは何色の服を着た女性に魅力を感じますか?」

<結果>

赤:40%
黒:30%
白:20%
その他:10%

この数字を見たときにあなたはどう思いますか?
「男性は赤い服に魅力を感じるんだ。次のデートは赤で行こう」と思ってしまった人はちょっと危険です。
確かに40%の人は赤に魅力を感じていると答えます。
しかし残りの60%は違う色を答えているのです。
あなたの好きな人は何色の服に魅力を感じるかは分からないのです。
この実験結果が論文として発表される時点では全てのデータが記載されているので問題はありません。
しかしこれが女性誌の恋愛コラムに載るときには「男性は赤い服を好む傾向がある」となります。
そしてそれが様々なところで広がりあなたが知る頃には「赤い服を着れば男性を落とせる」になってしまうのです。
ここまで極端な例は少ないかもしれませんが有名な理論でも正しく理解されていないものはあります。
例えば「吊り橋効果」と言われる効果です。
知っている人もいるかもしれませんが「吊り橋を渡るようなときのドキドキした恐怖感を恋愛感情と勘違いしやすい」というものです。
だからデートでは絶叫マシンやお化け屋敷で相手をドキドキさせましょうとアドバイスする本もあります。
この実験は吊り橋とコンクリートの橋でそれぞれ女性が男性にアンケートを行い、「詳しい結果を知りたかったら後で連絡してください」といって連絡先を渡すという実験です。
その結果、吊り橋の上で連絡先を渡された男性の方が後で連絡をしてくる確率が高かったそうです。
しかしこの実験は吊り橋では18人に、コンクリートの橋では16人にしか聞いていません。
この人数ではアンケートに答えた男性には偏りが出ますので一般にあてはめて考えるのは難しいといえます。
しかも吊り橋がかかっているような場所は景色の良い場所であることが多いです。そういった環境の影響を受けている可能性もあります。
そしてこれがもっとも大切なことですがアンケートを行った女性は美人でした。
こういった背景を知らずに「恐怖によるドキドキは恋愛のドキドキと勘違いしやすい」と考えてしまうのは危険です。
とはいえ別の原因によるドキドキを恋愛によるドキドキと勘違いしてしまうケースは頻繁に起こりますので吊り橋効果を否定するつもりはありません。

恋愛理論は役に立たないのか?

世間に広まっている恋愛理論の多くは心理学の実験に基づくものが多いです。
最初に心理学者が実験を行いその結果が形を変えて多くの人に知られるようになります。
その過程において内容が変わってしまうので実際に応用が出来なくなってしまうのです。
では皆さんが知っている恋愛理論が全く役に立たないのか?と言ったらそんなことはありません。
有名な恋愛理論の中にも役に立つものはたくさんあります。
例えば「何度も会っているうちに好きになってしまう(単純接触効果)」などは経験のある人もいるのではないでしょうか?
恋愛に限らず買物するときにCMをしているブランドに親近感を持つのもこの効果です。
「相手に好きと言われると自分も好きになってしまう(好意の返報性)」なども多くの場面で実証されています。
また恋愛カウンセリングを受けにくる人の中には「ロミオとジュリエット効果」の罠に陥っている人がとても多く感じます。
ロミオとジュリエットのようにお互いの家族の猛反対にあうことにより余計に情熱的になってしまうのです。
不倫のような障害のある恋に深く悩んでいた人がその障害がなくなった途端に熱が冷めてしまったというケースは多々あります。
恋愛に対する考え方は人それぞれですし、異性の好みも置かれている環境も違います。
そもそも悩んでいる本人の恋愛市場における価値が異なります。
美人で性格の良い人と、不美人で性格の悪い人では同じ行動をとっても相手の反応は異なります。
恋愛理論は使えるものとそうでないもの、使える相手と使えない相手がいます。
それにも関わらずいつでもどこでも有効と勘違いしてしまうから役に立たないのです。
自分の置かれている状況に応じて使い分けることが大切です。
余談ですが心理学の研究結果の再現性は低いと言われています。論文が発表された後に同じ実験を他の研究者が行っても同じ結果になる確率が低いのです。
再現率は50%もないと言われています。人によっては30%もないという人もいます。なので恋愛理論の元となった実験自体が根本的に間違っている可能性もあります。

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