自分で意識していようとしていまいと子供時代の家庭環境が大人になってからの恋愛に影響を与えることは少なくありません。
恋愛依存症のように分かりやすい場合もあれば自分でも気づかないうちに影響を受けている場合もあります。
原因は分からないけれどいつも恋愛が上手くいかないという人は自分の家庭環境を冷静に振り返ってみる必要があるかもしれません。
ダメな父親とそれに耐える母親
女性でよくあるのはDVやアルコール依存症の父親とそのせいで不幸になっている母親という家庭環境で育ち恋愛が上手く出来ないケースです。
父親からの悪い影響は認識しやすい
例えば父親がDV(家庭内暴力)をしていた場合、女の子なら「父親のような男性を選んではいけない」と思うでしょう。
これは普通のことですし恋愛をするときに乱暴そうな人を避けるというのも当然の反応です。
自分でも認識できていると思います。
母親を見ているうちに錯覚する
認識できないのは母親から受ける影響です。
DVやアルコール依存症、ギャンブル依存症の父親がいる家庭環境で育つと父親からの影響ばかり注目しがちですが、それ以上に母親からの影響を受けているというケースは多々あります。
目の前でDVを受ける母親を見ているうちにそこに将来の自分を重ね合わせている場合があります。
暴力を振るう父親ではなく被害を受けている母親を見ているのです。
そして女性が結婚したらこういう形になるのが自然という錯覚が生まれるのです。
自分では意識していなくても潜在意識の中に「目の前の母親=未来の自分」という図式が強く刷り込まれてしまう可能性もあります。
恋愛関係そのものが結べなくなる
別のパターンとして母親から「お父さんみたいな人と結婚しちゃダメよ」と毎日のように言われ続けたとしたら男性に対する警戒心はより一層強まるということがあります。
そうすると恋愛関係自体が結べなくなります。
異性の些細な言動で気持ちが冷める理由
父親のせいで不幸な母親を見続けると恋愛にどのような影響が出るのでしょうか?
父親と同じかどうか?だけで判断
多いパターンは異性と出会ったときにまず「この人は父親と同じタイプではないだろうか?」という基準で相手を見るということです。
「父親みたいな人は嫌だな」と思っている女性はいますので同じタイプを避けること自体はそれほど問題ではありません。
ここで問題なのは恋愛における判断基準が「父親と同じかどうか」だけになってしまうということです。
ちょっと似ているだけで恋愛感情が冷める
こうなるとたった一つでも父親との共通点を見出すと急激に恋愛感情が冷めてしまいます。
例えば同じ銘柄のタバコを吸っていたり同じ業界に勤めているというだけで「父親と同じだ。きっと私を不幸にするに違いない」と判断してしまうのです。
もっと深刻になってくると父親とは全く異なるタイプの男性を見ても無理矢理に共通点を探し出そうとしてしまいます。
極端な例では「お酒を飲むから父親と同じだ」「眼鏡をかけているから父親と同じだ」と決め付けてしまうこともあります。
母親からの無意識の洗脳
これは母親が「男なんてみんなお父さんみたいなヒドい生き物なのよ」と言い続けていた場合などに見られるケースです。
無意識のうちに母親から洗脳されているのです。もちろん母親にそんな意識はありませんが。
母親から「男はみんな父親のようにヒドい生き物」と言われ続けることで、それを裏付けるための証拠ばかりを集めようとします。それを無意識に行っている場合もあります。
異性のちょっとした仕草や言葉遣いで急激に恋愛感情が冷めてしまうことが頻繁にあるという人はこのような家庭環境の影響を受けている可能性があります。
恋愛における自動思考を変えて問題を解決する
子供時代の家庭環境が恋愛に与える影響をハッキリと認識することは難しいです。
何となく影響を受けている気はするという人はいても明確に表現することは出来ないのではないでしょうか?
なぜなら定義する言葉がないからです。
ここまで説明してきたことを一言で表わせと言われても私はできません。該当する言葉がないのです。
だからといって歪んだ恋愛感を治す方法がないわけではありません。
恋愛における自動思考
相手のちょっとした仕草や言葉遣いによって急に冷めてしまうのは恋愛における物事の捉え方が歪んでしまっているからです。
些細な言動に父親との共通点を見出し「この人は私を不幸にする人」と考えてしまう。
このようにある出来事が起こったときに自然と頭の中に浮かぶ思考を「自動思考」と言います。人間なら誰でも持っているものです。
思考を点検しよう
恋愛が上手くいかない人はこの自動思考が歪んでいるといえます。
この歪みを修正するためにはまず自分の家庭環境がどのような影響を与えているのかを振り返る必要があります。
そして自分の思考を点検するのです。
「この人は私を不幸にする人」と思ったときにじっくりと自分の思考と向き合います。
果たして本当に私は不幸になるのだろうか?
他の人が同じ状況でも同じように考えるだろうか?
自分の場合は家庭環境の影響を受けているためにこのような思考になっているだけではないだろうか?
相手の悪い部分ばかり探そうとしていないだろうか?
と様々な視点から思考を点検していくのです。
育った家庭環境が思考の材料になる
頭の中には自動思考を生み出す材料が入っておりその材料の元となるものの一つが家庭環境なのです。
そのことを意識するだけでも自分の思考を冷静に分析することが出来ます。
自分の思考パターンを分析することで少しずつ正常な恋愛感へと修正することができるのです。
ここで説明したことは家庭環境が恋愛に与える影響の一つにすぎません。
子供時代の体験が恋愛に与える影響というのは複数あります。
恋愛が上手くいかないという人は過去の家庭環境を振り返ってみるとヒントが隠れているかもしれません。