性格に遺伝が影響する割合は50%!性格は変えられないのか?

遺伝が性格に影響する割合はおよそ50%と言われています。

では性格を変えることは不可能なのか?というとそんなことはありません。

遺伝、育て方、外部環境との関連について簡単に説明します。

達成すべき課題と親との信頼関係

成長段階によって起こる心の変化に焦点を当てているのが発達心理学です。

中でも性格に関するものとして挙げられることが多いのは「発達段階説」と「愛着理論」です。

発達段階説とは人生をいくつかのステージに分けそれぞれの時期において必要な課題(信頼感や自立性)を達成することで健全な成長につながるというものです。

愛着理論とは生後数ヶ月後から数年の間に特定の相手(たいていは母親)と強い信頼関係を築くことで他者との信頼関係も築きやすくなるというものです。

どちらの理論にしても生まれてから成長していく過程においての育てられ方や近しい人の接し方がどういう人間に育つかに影響するという考え方です。

犯罪の報道でもどのような子供時代を送ったかや家庭環境について多く語られ、それを違和感なく受け入れる人が多いです。

偏屈な人間を見たときにも「子供時代の愛情不足かな?」などと心理学を知らない人でも口にすることがあります。

「あの犯罪者は親から特殊な遺伝子を受け継いだに違いない」と言う人はあまりいません。

これらのことからも性格は親の育て方の影響が大きいと認識している人が多いと分かります。

子供の性格に親の育て方は関係ない

「親は子供の性格の発達に重要な長期的な影響を及ぼす」ということを否定している有名な研究者にジュディス・リッチ・ハリスというアメリカの心理学者がいます。

2018年に他界されましたが『子育ての大誤解』という著書が日本でも話題になりましたので知っている人もいるかもしれません。

彼女はその論文や著作の中で性格の形成において親の育て方の影響がそれほど大きくはないという主張をしています。

遺伝が影響する割合が多い根拠として、一卵性双生児は同じ家庭で育っても養子として別の家庭で育っても性格の類似性には差がないことや、同じ家庭で育てられた血の繋がらないきょうだいの性格の類似性は全くの他人と変わらないといったデータを挙げています。

他にも行動遺伝学の知見などを用いて親の育てかたと性格の影響の小ささを主張しています。
ジュディスも遺伝が全てと言っているわけではありません。

性格に影響する重要な要素として「ピアグループ」というものを挙げています。

ピアグループとは年齢や環境が同じ程度の者同士でつくる集団のことです。
子供の場合は学校や近所の友達などがそれにあたります。

家の外の環境、つまりどのような友人と付き合うかが性格に大きく関係すると言っているのです。
「孟母三遷」という四時熟語があります。

これは孟子の母親が子育てに良い環境を求めて3度引越しをしたという故事から来ています。
孟子の母親の行ったことはまさに外から受ける影響を変えることで最適な環境を作ることでした。

遺伝が性格に影響する割合はおよそ50%

現在も性格に影響を与えるのは遺伝なのか親の育て方なのか外の環境なのかという研究が進められています。

これらのデータを見るとおおよそ以下のような割合で関連しているのではないかと思われます。

  • 遺伝(50%)
  • 育て方(10%)
  • 外部環境・ピアグループ(40%)

※もちろんこれらの主張を真っ向から否定する学者もいますし、研究が進めば割合が変化したり、全く別の要素が見つかる可能性もあります。

ここでいう性格とは以下の因子のことです。

  • 外向性
  • 開放性
  • 勤勉性
  • 協調性
  • 神経性傾向

これら5つは心理学の世界で「ビッグファイブ(性格5因子)」と言われています。

信頼性の高い理論と言われ研究や観察において用いられることが多いです。

各因子ごとに受ける影響の割合は異なります。

被虐待児や機能不全家族で育った子供には当てはまらない

親の育て方の影響が小さいということは虐待を受けて育っても性格には関係ないということ?と疑問を持つかもしれません。

しかしそんなことはありません。

ここまで見てきた研究は被虐待児や機能不全家族で育った子供には当てはまらないのです。

遺伝が影響する割合が大きいといっても特殊な家庭で育てば性格に与える親の影響は大きくなります。

虐待された子供が大人になってからも生きづらさを抱えるのは遺伝のせいではなく、育てられかたのせいなのです。

アダルトチルドレンや共依存状態になっている人の多くは子供時代の育てられ方の影響を強く受けています。

これは私がカウンセリングをしている中でも実感することです。

性格は変えられないのか?

性格を変えることは出来ないのか?といったらそんなことはありません。

遺伝の与える影響が大きいという研究でも「性格は変えられない」とは言っていません。

性格は僅かにであれば何もしなくても変化していくと考えられています。

大きく変えるためには認知を変えるためのトレーニングが必要です。

色々な方法がありますが要するに心のクセを修正するということです。

これは何もセミナーやカウンセリングに何十万円も支払って通う必要はありません。
やり方さえ分かれば自分1人でもできることなのです。

性格が変わるまでの期間は人によって異なりますが全く変化しないということはほとんどありません。

付き合う人間を変えるという方法もあります。性格の良さも悪さも伝染するのです。

優しい人と付き合えば自分も優しくなれます。精神的に安定した人と付き合えば自分も安定します。これは子供時代に限った話ではありません。

性格の変え方について書き出すと長くなってしまうのでここでは控えたいと思いますが、たとえ遺伝の影響が大きいとしても性格を変えることは可能なので安心してください。

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