自己肯定感は低いのにプライドが高いのはなぜか?

人間はありのままの自分を認めてしまうと心が壊れてしまうことがあります。

そうならないようにするため心にはバランスを保とうとする機能が備わっています。
それが発動すると真意とは裏腹の行動を取ってしまうこともあります。

自己肯定感は低いのにプライドは高いという人にはこのような心理が働いているのです。

自己肯定感とプライドの意味

自己肯定感もプライドも様々に定義できる言葉です。
理解しやすくするために簡単にそれぞれの意味を説明します。

自己肯定感

自己肯定感とはありのままの自分を好ましいものとして受け入れることの出来る感情です。
「生きている価値がある」「必要とされている」という実感を得られるかどうかということでもあります。
ダメな部分も含めてこれが自分であると受容できることです。
行動を起こすときの自信にもつながります。
自己肯定感が低いと自分を大切に思えなくなります。

プライド

プライドにはポジティブな意味とネガティブな意味がります。
日本語で「誇り」や「矜持」と訳されることがありますがその場合はポジティブな意味となります。
言葉で説明するのは難しいのですが自分の能力に自信を持ちそれを適切に使うべきであるという考えを持っている状態と考えてもらえればよいと思います。
報酬金額ではなく世の中の役に立つかどうかで受ける仕事を選択するのは良いプライドを持っているからといえます。

ネガティブな意味としては自分の無能さを認めない、偉そう、謙虚ではないといった意味となります。傷つきたくない心の裏返しともいえます。
中島敦の『山月記』に「臆病な自尊心」という言葉が出てきますがこれはプライドの負の側面を表しています。
役人を辞めて詩人を目指した李徴は自分の才能の無さを認めることが出来ずに人の忠告も聞こうとしなかったのです。
「自己肯定感は低いのにプライドは高い」と言った場合にはこちらの意味で用います。

なぜ自己肯定感が低いのにプライドは高くなるのか?

自己肯定感が低い人の中にはプライドが高い人もいます。

人には現実の脅威や不安定な心を処理するための機能が備わっています。
フロイトはこれを「防衛機制」と言いました。

防衛機制の一つに「反動形成」というものがあります。
受け入れることの出来ない現実や思考を意識しなくても済むように実際とは反対の行動を取るのです。

仕事が出来ない人ほど成果主義を声高に叫ぶのもこういった心理の表れといえます。

自己肯定感が低いのにプライドが高い人もこれと同じです。
このタイプはありのままの自分を受容できない原因に無能さや人望の薄さがあります。

それを認めたくないために「レベルの低い仕事では本気を出さない」「群れるのが嫌い」などと言いながらプライドを保とうとするのです。

しかしそういった行動を繰り返しても永遠に自己肯定感は低いままですからよりネガティブなプライドが高くなっていくのです。

つまり自己肯定感が低いのにプライドが高い人というのは現実と向き合う準備が出来ていない人ということです。

自己肯定感とプライドが反比例したまま年を重ねるとどうなるか?

プライドだけ高い老人がときどきいます。
こういう人たちも実は自己肯定感が低いのです。

心理学者のエリク・エリクソンは人は各年代ごとに乗り越えるべき課題があるという「発達段階説」を唱えました。
幼児期には自主性を身につけ、青年期にはアイデンティティを確立するといった具合です。

それによると人生の最後に当たる老年期に重要なものは統合性となります。

今までの自分の人生を振り返りそこに意味を見出したり、次世代を育てることなどにより老いを受け入れることができるのです。
老いを感じても自己肯定感を高く保てる人というのは統合が上手くいっている人ともいえます。

これが出来ていない人がそのことに気がつくと非常に危険です。
なぜならやり直す時間がないため絶望してしまうからです。

そうなってしまったら仮初のプライドを高く保つということさえ出来なくなってしまいます。

仮にあなたが自己肯定感が低いのにプライドだけ高いタイプだとしたら早めに対処することをおすすめします。
無駄なプライドを捨てるだけでも周囲の反応は変わりますからそれが人間関係の自己肯定感を改善することを助けてくれます。

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