採用で女性を差別する会社の見抜き方(就職・転職活動に役立つ知識)

企業の採用活動において男女差別をすることは「男女雇用機会均等法」などの法律で禁止されています。
それでも性別による差別が存在していることは就職活動や転職活動をした人の多くが感じていることです。

今回は男性を多く採用するという分かりやすい差別ではなく、男女によって評価基準が違うという差別をしている会社の判別方法について説明します。
つまり男性は実力のみで評価するけれど、女性の場合はそれにプラスして親しみやすさなども評価される会社の見抜き方ということです。

これを見分けるにはどうすれば良いかというとその企業が使っている単語の種類を見れば良いのです。
採用担当者と直接話す機会がなくとも採用サイトに掲載されている文章などから判断することが可能です。

この方法は男女差別の有無だけではなくその企業が求めている人物像を知ることにも役立ちます。

言葉には思考が表れてしまう

同じ日本語を使っている人でも頻繁に使う言葉というのは異なるものです。
親に掛けられた言葉、読んできた本、所属するコミュニティなどによって変化するからです。

また言葉にはその人の思考も表れます。
本人は隠しているつもりでも客観的なデータとして出てしまうのです。

ネガティブなワードが多ければ物事を悲観的に捉える傾向がある人と判断できます。

もう少し具体的な例を考えてみましょう。
例えばサッカーの監督が選手を誉めるときに「よく走ってくれた」というフレーズを頻繁に使うとします。
この場合、この監督はよく走る選手を高く評価する傾向があるということです。

これと同様のことが企業の採用活動においても起こるということが研究で分かっています。

採用において女性は業務遂行能力だけでなく親しみやすさも求められる

イタリアのボローニャ大学が採用における評価基準が男女で異なるのではないか?ということを調べた研究があります。
これは女性よりも男性を多く採用するという類の差別ではありません。
男性は実力のみ求められるのに対し、女性はそれ以外にもモラルや親しみやすさも求められているのではないか?という差別を調べたものです。

内定率に男女差別はない

研究ではイタリア国内の銀行の信用管理を担当するカスタマーサービスチームのポジションに応募した求職者のデータが使われています。
この採用活動においては履歴書、仕事への適応、認知テスト、関係能力に関するグループテスト、面接が行われています。
68人(女性39人)の応募者のうち31人(女性18人)が内定を得ました。
内定率は女性46.1%で男性44.8%ですからそこだけ見れば男女差別はないといえます。

評価レポートに記載された単語をカテゴリに分ける

しかしこの研究で知りたかったのは評価基準での男女差別です。
そこで採用担当者が求職者に対して下した評価のレポートの内容を調べました。
具体的にはその文章中に出てくる単語がどんな属性を表す種類のものか分類してカウントしたのです。
レポートに記載された単語は能力、親しみやすさ、道徳性という3つのカテゴリに分けられました。

女性はより多角的に評価される

結果は男女で大きな差が見られました。
男性は能力に関して評価した記述が最も多く、親しみやすさはその4分の1未満、道徳性については10分の1未満でした。

女性の場合も能力に関する評価が最も多かったことは同じです。
しかし親しみやすさについても能力と同じくらい評価対象とされていました。男性と比べて3倍近くも重視されていたのです。
道徳性については能力と比較して3分の1未満でした。それでも男性の2倍以上は重視されていました。

これらのことから女性は仕事の能力だけではなく、親しみやすさや道徳性も採用時の評価基準となりやすいということがいえます。

採用で男女差別をする企業にはセクハラのリスクも存在する

応募しようとしている会社が採用において男女差別をしているのかどうかを具体的に調べるには就職サイトや企業の採用ページが参考になります。

そこに若手社員の紹介などで上司からの評価が載っていることがあります。
それがなくとも男性社員と女性社員が仕事について言及した言葉を見れば業務の任され方(社内での男女の評価の差)が分かるものです。

その中で男性は仕事の実績について言及されることが多いのに、女性は人柄についての言及が多ければその会社は男女で評価基準が違うということが分かります。

そして採用時に限らず入社後の業務評価や昇進においても能力や実績意外の部分で判断される可能性があります。

またこのような職場にはセクハラが起こるリスクも存在します。
しかも本人達がセクハラをしているという認識さえないこともあります。

どんなに建前を取り繕っても言葉を客観的に分析すればその企業の本音や共有された空気が表れているものです。
インタビュー記事に出てくる単語をカテゴリ分けして頻出度を調べることで採用時の男女差別について知るだけではなく、その企業がどのような人物を求めているのかを知ることもできます。

就職活動や転職活動をしている人はぜひこれらのデータを活用して優良企業を目指してください。

参考文献:Silvia Moscatelli, et al. (2020). Men Should Be Competent, Women Should Have it All: Multiple Criteria in the Evaluation of Female Job Candidates.

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